ミツロウとハチミツの抗菌性
ミツロウとハチミツには高い抗菌性があり、天然の防腐剤といえます。エジプトの王族のお墓からハチミツの壺がみつかって、中のハチミツが腐っていなかったというのは複数のケースが報告されている事実です。ミツロウとハチミツの抗菌性のおかげで、ハニーガールオーガニクスの製品には合成防腐剤を入れないですんでいます。とはいえ、何年たっても品質が劣化しないというわけではありません。
未開封、適温で1年
ハニーガールオーガニクスの製品は、高温を避けて保存した場合、未開封なら1年というのが公式な表明です。保存状態にもよりますが実際はもっと持ちます。ちなみに米国では化粧品の使用期限の表示に関する法律は今のところありません。
もとは地産地消でした
ハニーガールオーガニクスは、もともと養蜂家のアンソニーが奥様のために手作りし、それをご近所や友人にプレゼントしていたのが始まりです。ビジネスとして立ち上げた後も、最初はオアフ島の中だけがマーケットでした。現在はアメリカ本土やカナダ、そして当ウェブストアを通して日本にも販売していますが、今も、小ロット生産、すぐ出荷が基本で、なるべく早くお客様の手にお届けし、早めに使っていただきたいというのがハニーガールオーガニクスの考え方です。
日本での店頭販売はなさそう
ハニーガールオーガニクスを日本の店舗やネットショップで販売させてほしい、というお問い合わせをいただくことがあります。単純に考えたら、アメリカ本土やカナダで販売しているのなら、日本でもできるんじゃないの、と思いますよね。でもそうじゃないのです。
ネックになるのは日本の薬機法です。薬機法では、化粧品の使用期限の表示に関して、 「製造又は輸入後適切な保存条件のもので3年を超えて性状および品質が安定」なら使用期限の表示をしなくてもいいと規定しています(化粧品の使用期限に関する昭和55年10月9日厚生省通知)。
つまり「使用期限を表示する」か「 3年を超えて品質を安定させる」か、どちらかなのです。 当然、普通の化粧品会社は、防腐剤をしっかり入れて「 3年を超えて品質を安定」させる方を選びます。なぜなら、使用期限を表示したら流通管理のコストが上がるのは目に見えているからです。その結果、日本では化粧品に合成防腐剤を入れるのが常識となっているようです。ネット上に「防腐剤を入れないで化粧品を作ることは不可能」と書かれていることもあります。
ハニーガールオーガニクスの製品は合成防腐剤を入れていません。なぜなら「品質劣化しないこと」より「肌にいいものだけを入れる」ことを優先しているから。合成防腐剤は肌に塗りたくない、だから入れない、がポリシーだから。ミツロウやハチミツの抗菌性が高いので、高温を避ければ未開封で1年はだいじょうぶです。
「品質劣化しないこと」を求める薬機法の規定は、それが消費者の安全のためだと考えられたからでしょう。この通知が出された1980年当時には、合成物質に対する認識が今より甘かったでしょうし、物流システムが今みたいに発達していなかったことも関係ありそうです。でもオーガニック指向が高まり化粧品の成分に対する意識が高まった今、こうした規定は時代に追いついていない気がします。全米のホールフーズで販売されている製品が日本ではダメっていうのはおかしいと思います。
というわけで、もしハニーガールオーガニクスを日本で販売するならば、輸入してから(製造してからではなく)3年以上、品質が変わらないように、合成防腐剤を入れないといけなくなるのです。そしたらそれはもう、ハニーガールオーガニクスとは呼べなくなってしまいます。だから、ハニーガールオーガニクスの製品が日本で店頭に並ぶことは当分なさそうです。
追記(2021年2月16日)
日本の店頭でハニーガールオーガニクスの製品が販売されているケースがまれにあるようです。どうして販売できているのか、謎です。輸入したり店頭に並んだりしている間に時間がたっているかもしれないので公式ウェブストアでお求めいただくことをおすすめします。