「オーガニック」と「戦後」

DDT散布

「オーガニック」と「戦後」。一見、何の関係もなさそうなこの二つには、実は関係が大ありです。

「日本を創った12人」(堺屋太一著、新書版は1997年発行)という本のマッカーサーの章にこんな文章がありました。ちょっと長いけど引用します。

「安全の第二は<健康>である。戦後の行政と教育の中で健康には非常に力を注ぎ、害虫や寄生虫の駆除には努力をした。今は有機農法がよいともいわれているが、終戦直後には日本人の70パーセントには寄生虫が発生したので、有機農法ほど健康に悪いものはない、汚らしいものだ、と宣伝された。近代農業は、化学肥料と農薬によって行わなければいけない。そんな清潔感を全日本に植えつけたのである。これがマッカーサーに代表される占領軍の衛生感覚でもあった。占領軍自身が日本の野菜は汚いから食べない、という噂を流したこともある。」

「有機農法は健康に悪い」

「近代農業は、化学肥料と農薬によって行わなければいけない」

超びっくりですよね、でもナチュラル指向、オーガニック指向が発生し、だんだんと主流になってきたのはわりと最近の話。それまでは、化学肥料OK、農薬OKの「ケミカル万歳」な時代が続いていた。そしてその幕開けは、日本では戦後でありマッカーサーだったというわけです。唐突に、まったく人為的に、「有機はダメ、化学肥料がよい」と価値観が変えられた。

DDT散布

戦後、日本では頭にシラミがいる人が多かったので、GHQがDDTという駆除薬(殺虫剤ですね)を学校や人の集まる場所で人々の頭にふりかけたという話は、年代によっては知っている人も多いでしょう。当時は、合成薬剤の人体への悪影響が知られていなかったので、薬剤ふりかけが善であると、おそらくそう信じて行なわれたのだと思われます。そして同様に、化学肥料や農薬にしても、それが文明であり善であると信じられていたのでしょう。

(DDTは発癌性があるため世界規模で使用が禁止されましたが、その後、マラリア対策として例外的に製造や使用が認められています。)

化学肥料や農薬など、およそ合成と名のつくものにはたいてい、なんらかの問題点があることは、水俣病やカネミ油症などの公害病で多くの人が被害を受けたり、最近では遺伝子組み換えの問題が明らかになったりという、そうした経緯を経て、ようやく今、常識となりつつあります。70年かかっているのですね。かつて押し付けられた価値の180度の方向変換には。

ハニーガールオーガニクスの製品には、合成防腐剤、合成香料など、ケミカルな成分はいっさい入っていません。界面活性剤は石油由来も植物由来もまったく入っていません。

追記(2021年2月16日)
フェイシャルウォッシュ(洗顔フォーム)だけはココナッツ由来のマイルドな界面活性剤「デシルグルコシド」が配合されています。詳しくはこちらの記事をご参照ください。